なぜ前の会社を辞めようと思ったのか

前回は50代で転職をした話を書きましたが、今回はなぜ転職をしようと思ったのかということを書きます。

前職では技術職として営業活動を実施する役割でした。主に新規のお客様に営業活動を始める際に、いかに自社製品・サービスが必要かということをお客様に論理建てて説明することに長けており、特に私が得意とする分野のサービスについては、私しか説明できない技術領域があったことから、途切れなく営業からの声がかかっていた。お客様とも長期間の良い信頼関係を築くことができた。

このような状況のなか、なぜ転職しようと思ったのか。それは、私は会社のなかで特殊な技能を身につけていたがゆえに、公式に仕事を認めてもらえる立場から徐々に外れてしまったからです。個人的な信頼関係によって仕事が依頼されてきた結果、見ず知らずの会社の人からは認められない立場となってしまいました。その結果、会社の公式な資格が剥奪されてしまう結果となりました。これは大変悲しい出来事でした。

私を認めてくれる人は私の地位を認めてくれるとは限らない。そして私を認めてくれる人は私より年上の人が多かった。すると次第に私は誰からも声がかからなくなり、定年まで会社にいることは困難になるのでは無いかという不安が襲ってきました。

幸い、私の技術や知識は、世間で通用するものであるという自信がありました。また、会社の業績も、利益率は維持していましたが売上が長年右肩下がり、という状況であったため、社内で地位を築くためにもういちど公式な手順を踏むよりも、業績の良い会社で新たなキャリアを築く方が良いと考え、手遅れにならないうちに転職を決意しました。

偶然ですが、転職が決まったその日に、私の所属していた事業部が身売りされることが発表されました。人生というのはなかなか面白いものです。